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1.Power And Glory(権力と威光) |
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2.Pharao | |
3.10,000 Miles(10,000マイルの彼方) | |
4.Right To Die | |
5.Louis XIV(ルイ14世) | |
6.Gods of Noise | |
7.You And I | |
8.Angel | |
9.Shoot The Fox(狐を撃て!!) | |
10.Iodle Dodle | |
東芝EMI TOCP−7603 (旧番号TOCP−6180):廃盤 | |
Produced By:Tommy Hansen | 解説:伊藤政則 |
「CHROMING ROSEの代表作は?」という問いに、ほとんどのファンが挙げるであろうアルバムがこの「LOUIS XIV」(邦題:ルイ14世)である。伊藤政則氏が自身の番組「Power Rock Today」で紹介したところ、そのサウンドは日本のファンの心を捉え、輸入盤が飛ぶように売れたという。
疾走するスピード、ツイン・リード・ギター、そして親しみやすいメロディーというジャーマン・メタルの型の上に、細かいアレンジと畳み掛けるようなコーラス・ワークを加えることで”CHROMING ROSE”という個性を打ち出している。ちなみに本国での初回プレスLPは丸型の変形ジャケットで発売された。
1.Power And Glory(権力と威光)
中世ヨーロッパの雰囲気を持つイントロからアルバムは静かに幕を開ける。 そのイントロの中からバンドのサウンドが姿を現わす。疾走するスピード、キャッチーな メロディー、流れるようなツインリードギター、まさにジャンルとしての”ジャーマン・メタル” を体現する楽曲である。コーラス、キーボード、エフェクター類の使い方も プロデューサーをトミー・ハンセンが務めていることもありすばらしく、 また歌詞もアメリカ独立戦争を描いており、楽曲のドラマ性を高めている。 初期CHROMING ROSEを代表する佳曲である。
(M/L:S.Hirschbeck)
2.Pharao
ミドルテンポのイントロから一転、スラッシュ・メタルを思わせるアグレッシヴな リズムで一気に駆け抜けていく曲。エジプトのファラオ王とイランのホメイニ師の興亡を ダブルミーニングで表わしたというこの曲は”怒り”の感情がアグレッシヴな楽曲に よく表われている。
(M:M.Mende/L:G.Salewski,T.Sikes)
3.10,000 Miles(10,000マイルの彼方)
ミドルテンポでコーラスの”10,000 Miles Away〜”という一節が印象的な曲。 ソロのキーボード(口笛?)〜ギター・ソロの流れがどこか牧歌的で全体的に どこか哀愁を感じる。
(M:M.Mende/L:G.Salewski,T.Sikes)
4.Right To Die
同じくミドルテンポでヘヴィな曲。この曲ではVoのGerdが声の高低を 上手く使い分け重い歌詞のテーマを表現している。歌詞と繋がるラストの SEによる演出も見事。曲調はそんな歌詞と合わせるようにヘヴィである。
(M:M.Mende,S.C.Wuller/L:G.Salewski,T.Sikes)
5.Louis XIV(ルイ14世)
私がHeavy Metalを聴いて心の底から「良かった」と思わせてくれた曲。 恐らくファンの描く”CHROMING ROSEらしさ”もこの1曲に凝縮されていると思う。 ファンの贔屓目であると十分認識しているが、この曲を聞いて当時”ハロウィンの亜流” だけで片づけた連中の感性を疑ってしまう。歌詞のテーマは悪名高いルイ14世から 革命により失墜したルイ16世までの歴史を現代の政治家達への皮肉をこめた メッセージとして描いている。ジャーマン・メタル・ファンならばこの1曲のために アルバムを買っても惜しくはない!CHROMING ROSEいや、ジャーマン・メタルを代表する希代の名曲!!
(M:M.Mende/L:G.Salewski,T.Sikes)
6.Gods of Noise
激しく降る雨、そして鳴り響く稲妻。そこからGerdが歌い上げる。
(M:M.Mende/L:G.Salewski,T.Sikes)
"We came down to pray for you ,We are the gods of noise."
"We came down to play for you .We are the gods of noise."
「お前のため祈ろうと降りてきた。俺達はノイズの神」
「お前のためプレイしようと降りてきた。俺達はノイズの神」
CHROMING ROSEからのファン賛歌といえるこの曲。非常にアップテンポで 疾走する好ナンバーである。なにより彼らのHeavy Metalに対する思いが よく感じられる。そして曲はこう締められる。
"Even when the show is over. Remember us, we will return"
「たとえショウが終わっても、俺達を思い出せばまた戻ってくる。」
7.You And I
4分半の曲でありながらリズムセクションが動き回り、複雑なアレンジ で進んでゆく。その中で、印象的でフックのあるメロディーが次々と飛び出して くる 。遺伝子操作をテーマにした歌詞も鋭い。
(M:M.Mende,S.C.Wuller/L:G.Salewski,T.Sikes)
8.Angel
CDのみのボーナス曲。ヨーロッパ的な哀愁漂う雰囲気が特徴の曲。 はっきり言って、突出した曲ではないのだがメロディーの良さが耳を捉え 聴かせてしまう。そんな魅力のある曲である。
(M:M.Mende/L:G.Salewski,T.Sikes)
9.Shoot The Fox(狐を撃て!!)
ギターとチェンバロ(?)で始まる特徴的なイントロを持つ曲。これも CDボーナス曲である。典型的な”ジャーマン”のメロディーとスピードに 練られたアレンジでまとめた曲。
(M:M.Mende/L:G.Salewski,T.Sikes)
10.Iodle Dodle
アルバムを締める曲・・・なんだけど。曲というより終章的なものである。 ・・・のですが、はっきり言ってヨーデルです。牛が鳴き、カッコーが唄い、 カウベルの音が山々に響く・・・そんな曲です。歌詞は”クロ〜ミング。ロォ〜〜ズ〜、 ヨロレ〜イヒィ〜〜”て、アンタそれだけかいっ!!と突っ込みたくなる素敵な曲です。
(M/L:G.Salewski,T.Hansen)