〜Just Wanna STAY〜

History


序章
第1章〜黎明〜
第2章〜登場〜
第3章〜進化〜
第4章〜成長、そして終焉〜


序章

STS 8 MISSION−この風変わりな名前のバンドは日本のHR/HMシーンに空前のジャーマン・ メタル旋風が吹き荒れた1990年、その姿を現わした


第1章〜黎明〜

彼等のルーツを溯るとFORCED ENTRYというバンドに辿り着く。このFORCED ENTRYはWilly Schwabic (Dr)と Rudiger Blindert(G)が1987年に結成したバンドで、1988年に 1stアルバム「First Entry」を ATOM H Record からリリースしている。しかし、 1989年にヴォーカリストが脱退、その後任にXaver Drexler(Vo)が加入する。また Rudigerのギターパートナーがバンドの方向性を当時ドイツで最も人気のあった スラッシュ・メタルへ進めることを主張。しかしバンドはメロディックなスピード・メタル を目指すため新しいギタリストを加入させることになる。彼等はここで FORCED ENTRY に 別れを告げ、新しいスタートを切ることになる。


第2章〜登場〜

当時の流行であったスラッシュ・メタルではなく、あえてメロディック・パワー・メタルを 追求する道を選んだ FORCED ENTRY は新メンバーにキーボードも操る Thomas Schmitt(G) を迎える。ここでバンドはバンド名を STS 8 MISSION と改名する。その理由を Xaver は 「アメリカに既に FORCED ENTRY というバンドが存在していたこと、そして何より自分達の サウンドをよりプロフェッショナルにしたいという転換期だったので改名した。」と語って いる。さて、 STS 8 MISSION という名前の由来だが、STS とは”スペース・トランスポーティング ・システム”の略。また 8 はその関係者しか知らないプロジェクト・コード・ナンバーを意味 している。これらを合わせるとアメリカのスペースシャトル計画の意味となる。そんな インパクトのある名前の STS 8 MISSION は1990年、1stアルバム「The Mystery of Time」 でデビューを果たす。
そして日本でも輸入盤が目敏いファンの目に留まり、ジャーマン・メタル・ムーブメントの若 き担い手として注目されてゆくことになる。

第1期 STS 8 MISSION
Xaver Drexler (Vo)
Thomas Schmitt (G/Key)
Rudiger Blindert(G)
Roland Wedel(B)
Willy Schwabig(Dr)


第3章〜進化〜


新世代のジャーマン・メタル・バンドとして日本で注目を集め始めた STS 8 MISSIOM で あるが、本国ドイツでは苦戦していた。そんな時、ドイツへ取材に出かけていた”キャプテン” こと和田誠氏はメンバーに出会う。和田氏はその時の様子を自身の著書「ジャーマン・メタル」 (シンコー・ミュージック刊)でこう記している。
取材日程は終わりに近づき STS 8 MISSIONのメンバーに会えないまま氏は帰国の途につくため空港のロビーにいた。そこへ突然 Xaver と Thomas の2人が現れた。2人は遠く日本からわざわざ自分達を取材にきたジャーナリスト がいることに驚き、なんとしても会って自分達のことを知ってもらいたいと思い車を飛ばして 駆けつけたという。
そんな2人の姿に感動した和田氏は彼等を日本へ呼ぶために奔走し、 ついに1991年夏、プロモーションという形で初の来日を果たす。本国ではなかなか認め られなかったが、日本での歓迎を受け彼等は自信を取り戻す。
帰国後 Xaver と Thomas はSTS 8 MISSIONをさらに上のレベルに、そして自分達の音楽性を 追求するため大幅なメンバー・チェンジを行った。かつての FORCED ENTRY の中心メンバー Rudiger と Willy そしてRoland の3人がバンドを去ることになる。新メンバーには Uli Henke(B)、 Rainer Schmitz(Dr)が加入し2ndアルバムの制作に入る。1stアルバムのプロダクション が決して良いとはいえなかったため、バンドはプロデューサーとして MEKONG DELTA の Ralf Hubertを、またリズム・セクションのプロデューサーに HEAD HUNTER の Jorg Michael を迎えレコーディングを行った。そしてアルバム「Slippin' into Fiction」 を完成させる。
バンドはこのアルバムを携え CHROMING ROSE とのジョイントという形で1992年11月 日本公演のため来日する。

第2期 STS 8 MISSION
Xaver Drexler (Vo)
Thomas Schmitt (G)
Uli Henke (b)
Rainer Schmitz (dr)


第4章〜成長そして、終焉〜

初の来日公演を終えた STS 8 MISSION であったが、リズム隊の力量不足を露呈してしまう。 そのため、バンドは再びメンバーチェンジを行う。新メンバーは Rolf Sanders(B)、 Clive Borgards(Dr) である。さらなる成長を目指す STS 8 MISSION であったが93年頃から音楽のトレンドは 完全にオルタナ・グランジになっており、欧米ではそれ以外の音楽は音楽にあらずといった 風潮さえ生み出していた。共に日本公演を行った CHROMING ROSE はEMIからドロップ、 そして STS 8 MISSION も ATOM H からドロップしてしまった。そんな逆境にもめげず1994年 バンドは3rdアルバム「Blind」をリリースする。日本公演行ったという自信は十二分に アルバムに反映されており、BURRN!誌のレヴューでも「それにしてもいいバンドになったものだ」 (レヴュー担当:川合純行氏) と評されていた。
しかし1995年バンドは解散の道を選ぶ。BURRN!1995年12月号によると Xaver は しばらく音楽業界から遠ざかることを表明、 Thomas は SYSTEM SHOCK という新バンドを 結成するためメンバーを物色、1996年早々にもレコーディングに入りたい意向であると あった。
それからすでに2年以上経過している。が、その後の情報は残念ながら入っていない。

第3期 STS 8 MISSION
Xaver Drexler (Vo)
Thomas Schmitt (G)
Rolf Sanders (B)
Clive Borgards (Dr)




STS8MISSION JAPAN TOP